データ復旧はデータスマート

外付けHDDについて

外付けHDD(ハードディスクドライブ)は、パソコンの外部に接続して使用する補助記憶装置です。これにより、大容量のデータ保存やバックアップ、データの持ち運びが容易になりました。日本国内ではbuffalo製品がほとんどですが、世界中にメーカーがあります。これまで何気なく使用してきた外付けHDDを紐解いていくためにまずは歴史から振り返ります。

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外付けHDDの歴史

外付けHDD(ハードディスクドライブ)の歴史は、コンピュータの発展とともに進化してきました。その始まりは、コンピュータ本体に内蔵されていたHDDの容量不足を補うために外部ストレージが必要とされた1980年代に遡ります。

初期の発展

1980年代には、コンピュータ技術が急速に進化し、データの保存容量が重要な課題となりました。IBMが1983年に発売したIBM PC/XTには10MBの内蔵HDDが搭載されていましたが、これはすぐに容量不足となり、外付けHDDの需要が高まりました。初期の外付けHDDは非常に大きく、重く、高価でした。また、接続もシリアルポートやパラレルポートを使用しており、転送速度も遅かったため、主にビジネス用途に限られていました。

1990年代の進化

1990年代に入ると、技術の進歩により外付けHDDはより小型化し、手頃な価格で提供されるようになりました。この時期には、SCSI(Small Computer System Interface)やIDE(Integrated Drive Electronics)といった新しいインターフェースが登場し、データ転送速度が大幅に向上しました。また、この時期にはコンシューマー市場でも広く利用されるようになり、多くの家庭で外付けHDDがデータ保存やバックアップに使用されました。

2000年代の普及

2000年代に入ると、USB(Universal Serial Bus)規格の普及により外付けHDDの接続が非常に簡単になりました。USB 2.0の登場により、データ転送速度がさらに向上し、プラグアンドプレイの利便性も相まって、外付けHDDは個人ユーザーにとっても重要なデバイスとなりました。この時期には、容量も急速に増加し、数百GBから数TBのHDDが一般的になりました。

2010年代以降の進化

2010年代以降、外付けHDDの技術はさらに進化しました。USB 3.0やUSB-C、Thunderboltなどの高速インターフェースが登場し、データ転送速度が飛躍的に向上しました。また、SSD(ソリッドステートドライブ)技術の進展により、従来のHDDよりも高速で耐久性の高い外付けストレージデバイスが登場しました。これにより、クリエイティブプロフェッショナルやゲーマーなど、特に高いパフォーマンスを求めるユーザーにとって理想的な選択肢となっています。

外付けHDDの特徴と利点

まず、外付けHDDの接続方式について説明します。最も一般的な接続方式はUSBです。USBはプラグアンドプレイに対応しており、ほとんどのコンピュータで使用できます。また、Thunderboltという接続方式もあります。これは高速データ転送が可能で、主にMacユーザーに人気です。さらに、eSATAという接続方式もあり、内蔵HDDと同等の転送速度を提供しますが、対応機器が限られます。

接続方式説明
USBプラグアンドプレイ対応、ほとんどのコンピュータで使用可能
Thunderbolt高速データ転送が可能、主にMacユーザーに人気
eSATA内蔵HDDと同等の転送速度、対応機器が限られる

次に、外付けHDDの容量についてです。外付けHDDの容量は数百GBから数TB(テラバイト)まで様々で、ユーザーのニーズに応じて選択可能です。

容量説明
数百GB小規模なデータ保存に適している
数TB大容量のデータ保存に適している

外付けHDDには、形状とサイズによってポータブルタイプとデスクトップタイプの2種類があります。ポータブルタイプは小型で軽量なため、持ち運びに便利です。一方、デスクトップタイプは大容量で高速かつ耐久性が高いのが特徴です。

タイプ説明
ポータブルタイプ小型で軽量、持ち運びに便利
デスクトップタイプ大容量、高速、高耐久性

電源供給方式についても説明します。バスパワーはUSBケーブルを通じて電源を供給するタイプです。これは追加の電源アダプターが不要なため、非常に便利です。一方、ACアダプターを使用するタイプもあり、こちらは別途電源アダプターが必要です。

電源供給方式説明
バスパワーUSBケーブルを通じて電源を供給、追加のアダプター不要
ACアダプター別途電源アダプターが必要

使用上の注意

外付けHDDを使用する際には、いくつかの点に注意が必要です。まず、HDDは物理的な衝撃に弱いため、落下や強い衝撃を避けることが重要です。さらに、外付けHDD自体も故障する可能性があるため、重要なデータは複数のバックアップを取ることが推奨されます。個人情報や機密データを保存する場合は、暗号化やパスワード保護などのセキュリティ対策を講じることが重要です。

使用上の注意説明
物理的な取り扱い衝撃に弱いため、落下や強い衝撃を避ける
定期的なバックアップHDD自体も故障する可能性があるため、複数のバックアップを推奨
セキュリティ対策暗号化やパスワード保護などでデータの安全性を確保

外付けHDDメーカー

メーカー名国籍
Western Digitalアメリカ合衆国
Seagateアメリカ合衆国
Toshiba日本
Transcend台湾
Buffalo日本
LaCieフランス
Samsung韓国
Adata台湾
Sony日本
HGST (WD傘下)アメリカ合衆国

USB接続外付けHDDについて

USBケーブルを使ってパソコンと直接接続するタイプの外付けHDDです。ケーブルを差し込むだけで、内蔵HDDと同様にパソコンから認識され、すぐに利用することができます。ファイルシステムは、WindowsではNTFS、MacではHFSなど、内蔵HDDと同じフォーマット形式が用いられています。

このUSB接続タイプの外付けHDDには、「ポータブル型」と「据え置き型」の2種類が存在します。


ポータブル型

ポータブル型は主に2.5インチのハードディスクを内蔵しており、USBケーブルを通じてパソコンから電力を供給されることで動作します。コンパクトで軽量なため、ノートパソコンと一緒に持ち運ぶのにも適しており、データの受け渡しや外出先での利用にも便利です。主に書類や写真など、持ち運びを前提としたデータの保存に向いており、紛失対策として暗号化機能を備えた製品も販売されています。


据え置き型

据え置き型には3.5インチのハードディスクが搭載されており、USB接続のほかに電源ケーブルからの給電が必要です。そのため携帯性には劣りますが、その分大容量かつコストパフォーマンスに優れており、大量のデータを保存する用途に適しています。テレビ番組の録画データや、ビデオカメラの映像データなど、大容量ファイルの保存には据え置き型の利用がおすすめです。

ネットワーク接続(LAN接続)外付けHDDについて

USB接続の外付けHDDのようにパソコンに直接接続するのではなく、家庭やオフィス内で構築されたネットワークを経由して、ネットワーク上の複数のパソコンからデータの読み書きができるようにした外付けHDDが存在します。これらは「NAS(Network Attached Storage)」とも呼ばれています。


パソコンに直接接続する通常のハードディスクとは異なり、NASはネットワーク経由でアクセスするため、さまざまなOSに対応しています。Windows、Mac、Linuxといった基本的なOSはもちろん、最近のNAS製品ではAndroidやiOSなど、スマートフォンやタブレットからのアクセスにも対応しています。また、インターネット経由でのリモートアクセスに対応した機種もあり、外出先からでもデータにアクセスできるように設定することが可能です。

USB接続の外付けHDDがパソコン側で制御されるのに対し、NASはネットワーク内で独立して動作する構造になっているため、簡易的なパソコンとも言える存在です。ただし、多くのNASでは専用のファイルシステムや独自のフォーマットが採用されているため、故障した際に内蔵のハードディスクを取り出してパソコンに直接接続しても、通常はデータを参照することができません。

そのため、NASが故障して保存されているデータが必要となった場合には、専門のデータ復旧サービスを提供している企業に依頼する必要があります。

https://www.datasmart.co.jp/knowledge/nas/

RAID構成の外付けHDDについて

RAIDとは、複数台のハードディスクを組み合わせて、ひとつの大容量ストレージとして利用できるようにし、同時にハードディスクの一部が故障してもデータを保護できるように冗長性を備えたシステムです。もともとはサーバー向けに使われていた技術ですが、現在では一般家庭でも使える外付けHDD製品にもRAID機能を搭載したモデルが登場しています。

RAID構成の外付けHDDには、USB接続タイプとネットワーク接続型(NAS)タイプの2種類があります。搭載されるハードディスクの台数は製品によって異なり、2台構成のモデルではRAID0やRAID1が選択可能です。さらに、4台構成のモデルではRAID5やRAID1+0など、より高度なRAID構成を選ぶことができます。

このようなRAID構成の外付けHDDが故障した場合は、一般的な単体HDDと異なり、構成情報の解析や高度な技術が必要となるため、NASと同様にデータ復旧サービスを提供する専門業者への依頼が必要になるケースが多く見られます。

RAID構成そのものの詳細については、以下のページで詳しくご案内しております。

https://www.datasmart.co.jp/knowledge/raid-levels/

また、RAIDの種類についての説明はこちらをご参照ください。

https://www.datasmart.co.jp/knowledge/raid-levels/

外付けHDDの利用シーン

外付けHDDにはさまざまな活用方法がありますが、選ぶタイプによって適した用途や向き不向きがあります。


パソコンの内蔵HDDの容量不足を補う場合

このようなケースでは、USB接続タイプの外付けHDDが適しています。NASと比較すると操作が簡単で、使用しないときには電源をオフにしておくことも可能です。また、一般的にはUSB接続のほうがNASよりもアクセス速度が速いため、容量拡張の目的には向いています。


データのバックアップに利用する場合

バックアップ対象が1台のパソコンであれば、USB接続の外付けHDDを用いる方法が効率的です。一方、複数台のパソコンがある場合には、ネットワークを通じてバックアップを行えるNASの方が適しているでしょう。さらに、オフィスなどで多数の端末がある環境では、RAID機能を搭載したNASを利用することで、データの安全性と管理の効率を両立できます。


データの受け渡しに使う場合

遠隔地とのデータの受け渡しを行う場合は、持ち運びが簡単なポータブル型のUSB接続HDDが最も手軽です。同一ネットワーク上でのデータ共有であれば、NASを利用するのが便利です。特に家族間などでデータをやり取りする場合には、NAS内に共用フォルダを設定しておくことで、スムーズなデータ共有が可能になります。


今後の外付けHDD

外付けHDDの未来は、さらなる技術革新とともに進化を続けることが予想されます。データ容量の増加、転送速度の向上、そしてよりコンパクトでポータブルなデザインが期待されます。また、クラウドストレージの普及により、外付けHDDはクラウドとのハイブリッドストレージとしての役割も強化されるでしょう。データのセキュリティやプライバシー保護の観点からも、外付けHDDは重要な存在であり続けると考えられます。

基本的にはハードディスク(HDD)の進化とともに発展していくことが見込まれます。特に小型化と大容量化の技術の進展に期待していきたいと思います。

まとめ

外付けHDDは、データ保存やバックアップ、持ち運びに非常に便利なツールです。選択する際には、接続方式、容量、サイズ、電源供給方式などを考慮し、使用目的に合った製品を選ぶことが大切です。また、データの安全性を確保するために、定期的なバックアップと適切な取り扱いを心がけてください。

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