ファイルシステムの違い・種類 | データ復旧

ファイルシステムについて

知っておきたいパソコン基礎知識

ファイルシステムは、それぞれ異なる用途やシステム要件に基づいて設計されています。ハードディスクやMOディスクをフォーマットする際には、互換性、パフォーマンス、データが壊れたりしないか、障害が発生しないかを事前に調査してからフォーマットをしてください。

1. NTFS (New Technology File System)

  • 開発者: マイクロソフト
  • 使用OS: Windows
  • 特徴:
    • メタデータのサポート、ディスククォータ、ファイル圧縮、暗号化などの高度な機能を提供しています。
    • データの回復が容易なジャーナリングファイルシステムを採用しています。
    • 大きなファイルとボリュームをサポートしています。

2.FAT16 (File Allocation Table 16)

  • 開発者: マイクロソフト
  • 使用OS: MS-DOS, Windows, 一部のUNIX系システム
  • 特徴:
    • FATファイルシステムの初期バージョンの一つで、1984年に導入された。
    • パーティションの最大サイズは2GB(一部のシステムでは4GBまで拡張可能)。
    • ファイルとディレクトリの名前は大文字のASCII文字のみを使用し、拡張子は3文字までという制限があります。
    • シンプルで信頼性があり、小規模なストレージデバイスや古いオペレーティングシステムでの使用に適しています。
    • ボリュームサイズが増加すると、ディスクスペースの効率が低下します。
    • セキュリティ機能やファイルの圧縮、暗号化などの高度な機能はサポートされていません。

3. FAT32 (File Allocation Table 32)

  • 開発者: マイクロソフト
  • 使用OS: DOS, Windows, 一部のUNIX系システム
  • 特徴:
    • 広範囲の互換性があり、USBメモリやSDカードなどの取り外し可能なメディアで広く使用されています。
    • ファイルの最大サイズは4GBまでです。
    • シンプルであるが、NTFSに比べるとデータ保護や回復の機能が限られています。

4. exFAT (Extended File Allocation Table)

  • 開発者: マイクロソフト
  • 使用OS: Windows, macOS, 一部のLinuxディストリビューション
  • 特徴:
    • FAT32の制限を克服するために設計されています。
    • ファイルサイズやディスクサイズに対する制限がほぼありません。
    • フラッシュドライブやSDカードなどのメディアで使用することを目的としています。

5. HFS+ (Hierarchical File System Plus)

  • 開発者: Apple Inc.
  • 使用OS: macOS
  • 特徴:
    • macOSのために最適化されており、メタデータのインデックス作成、圧縮、暗号化などの機能を提供しています。
    • Time Machineバックアップとの互換性があります。

6. APFS (Apple File System)

  • 開発者: Apple Inc.
  • 使用OS: macOS, iOS, iPadOS, tvOS, watchOS
  • 特徴:
    • 高速なオペレーション、クローンファイル、スナップショット、強化された暗号化など、HFS+の弱点を克服するために開発されています。
    • SSDなどのフラッシュメモリに最適化されています。

7. Ext4 (Fourth Extended Filesystem)

  • 開発者: Linuxカーネル開発者
  • 使用OS: Linux
  • 特徴:
    • ラージファイルサポート、ジャーナリング、拡張属性、ファイルシステムのサイズの動的な拡張などをサポートしています。
    • 非常に大きなファイルシステムとファイルをサポートし、データの整合性を維持するためのジャーナリングを提供しています。

8. Btrfs (B-tree File System)

  • 開発者: 複数の貢献者(Oracleを含む)
  • 使用OS: Linux
  • 特徴:
    • スナップショット、データ重複排除、動的なインオード割り当て、高度なデータ整合性機能など、先進的な機能を提供しています。
    • ストレージプール、ボリューム管理、ファイルシステムの拡張が比較的しやすいです。

WindowsとMac間でデータを共有する場合の推奨フォーマット

WindowsとMac間でデータを共有する際、主に互換性と利便性を考慮する必要があります。以下のオプションが一般的に推奨されます:

1. exFAT

  • 推奨理由: exFATは、WindowsとmacOSの両方でネイティブにサポートされているファイルシステムです。これにより、USBドライブや外付けハードドライブなどのストレージデバイスを介したデータの移動が容易になります。exFATは、FAT32のファイルサイズ(4GB)の制限を超える大きなファイルのサポートが可能で、ストレージ容量の効率も良いです。

2. クラウドストレージサービス

  • 例: Google Drive、Dropbox、OneDrive
  • 推奨理由: クラウドストレージサービスを使用すると、ファイルをインターネット経由で簡単に共有できます。これらのサービスはプラットフォームに依存しないため、WindowsとmacOSの間でファイルを共有する際に便利です。セキュリティ、アクセス管理、大容量ファイルのサポートなど、追加機能も提供されます。

3. ネットワーク共有

  • 推奨理由: WindowsとMacの間でローカルネットワークを介してファイルを共有することもできます。SMB (Server Message Block) プロトコルを使用して、異なるオペレーティングシステム間でファイル共有を設定できます。これにより、同じネットワークに接続されたデバイス間でファイルを簡単に移動およびアクセスできます。

4. NTFSとHFS+(APFS)の読み書きサポート

  • 推奨理由: WindowsでNTFSフォーマットのドライブの読み書きを行うためのサードパーティソフトウェアや、MacでHFS+またはAPFSフォーマットのドライブを読み書きするためのサードパーティソフトウェアもあります。これらのソリューションを使用すると、OSのネイティブファイルシステムを使用しながらも、異なるオペレーティングシステム間での互換性が向上します。ただし、これらの方法は追加のソフトウェアのインストールが必要であり、場合によっては費用がかかる可能性があります。

古いファイルシステム

ISO 9660

ISO 9660は、1988年に開発されたCD-ROMやDVDなどの光ディスクメディア(光学メディア)にデータを格納するための国際標準のファイルシステムです。この規格は、国際標準化機構(ISO)によって設定され、異なるオペレーティングシステム間でディスクの互換性を確保することを目的としています。

Windows、Mac OS、Linuxなど、ほとんどのオペレーティングシステム(OS)で読み取り可能です。これにより、異なるプラットフォーム間でデータを容易に交換できます。

ファイル名の長さ

ファイル名は通常、大文字の英数字とアンダースコアのみを使用し、長さは8.3形式(8文字のファイル名と3文字の拡張子)に制限されています。こういった制約もあり、後継のファイルシステムが開発されており、現在はほとんどISO 9660が使われることはありません。後のバージョンでは、より長いファイル名やディレクトリの深さに対応するための拡張が行われました。

memo

ISO 9660の拡張として、JolietやRock Ridgeといった規格があります。JolietはWindowsで使用され、Unicodeをサポートして長いファイル名の使用を可能にします。Rock RidgeはUNIX系のシステムで使用され、ファイルの所有者情報や許可設定など、POSIXのファイル属性をサポートします。

UDF(Universal Disk Format)

UDF(ユニバーサルディスクフォーマット)は、ISO 9660に代わるものとして設計された、光ディスクメディア(CD、DVD、Blu-ray Discなど)用のファイルシステムです。

1995年に導入され、その目的は光ディスクメディアに対するより柔軟なデータストレージソリューションを提供することでした。UDFは、特に書き換え可能なメディアや新しい光ディスク技術に適した改良をもたらし、広範な互換性とフォーマットの拡張性を実現しています。

UDFはバージョンアップを重ねており、それぞれのバージョンは特定の機能やメディアタイプのサポートが向上しています。例えば、UDF 2.50はBlu-ray Discに最適化されていますが、初期のバージョンは古いCD-RやCD-RWメディアにも対応しています。

memo

ユニバーサルディスクフォーマット(UDF)の最新のリビジョンは、バージョン2.60で、2005年3月1日に導入されました。このリビジョンでは、順次記録可能なメディアに対する疑似オーバーライト機能をサポートするドライブのための疑似オーバーライト方式が追加されました。また、UDF 2.50の実装との互換性向上や、一部のBlu-rayフォーマットでの使用が特徴です。

Linuxのファイルシステム

Linuxではさまざまなファイルシステムが利用可能ですが、特に利用されているのがextとXFSですので、それらをご紹介します。

XFS は、高パフォーマンスなファイルシステムで、主に大容量のファイルとデータストレージの管理に適しています。元々はSGIによって1990年代に開発され、Linuxカーネルに1990年代後半に導入されました。特に大規模なファイル操作と並列処理に優れており、大量のデータを扱うサーバーでよく利用されます。

EXT(拡張ファイルシステム)は、Linuxで広く使用されているファイルシステムのシリーズで、初期のextからext2, ext3, そしてext4へと進化してきました。ext4は、現在最も広く使われているバージョンで、2008年に導入されました。

まとめ

  • 大規模なファイルを頻繁にやり取りする場合、または取り外し可能なメディアを介したデータ転送が一般的な場合は、exFATフォーマットが最適です。
  • インターネット経由でのファイル共有を好む場合、またはリモートワークやチームワークが多い環境にいる場合は、クラウドストレージサービスが便利です。
  • ローカルネットワーク内でのファイル共有が必要な場合は、ネットワーク共有が良い選択肢になります。
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