ハードディスク(HDD)の種類について|データ復旧

メディア解説

ディスク(プラッタ)の直径

ハードディスクドライブ(HDD)は、様々な形式で利用可能であり、それぞれの種類は特定の用途や性能要件に適しています。現在利用されている主なハードディスクを直径サイズで分類すると以下の3種類です。

直径 (インチ) 用途 特徴
1.8 inch 携帯機器、ポータブルデバイス 小型で軽量、バッテリー寿命が長い。容量は比較的小さいが、携帯性に優れる。
2.5 inch ノートパソコン、外付けハードディスク ノートパソコンやポータブルストレージに最適。容量と性能のバランスが良い。
3.5 inch デスクトップパソコン、サーバー 大容量で高性能。デスクトップPCやサーバーに多く使用される。
5.25 inch 古いデスクトップパソコン、オプティカルドライブ 現在はほとんど使用されていないが、初期のデスクトップPCやCD/DVDドライブに使用されていた。

1990年以降からの主流は3.5インチのHDDです。5.25インチのハードディスクは初期に使用されていましたが、現在では利用されることはありません。

その他のインチ

HDDが登場した初期には5インチ、8インチの大きなサイズの製品も存在しましたが、小型製品の方が人気があることからも市場には1インチ(2.54cm)の製品が主流となりました。これ以上の小型化はフラッシュメモリ製品と競合するためにほとんど市場には存在していません。

厚み

2000年代以降は1種類のサイズのものが流通していますが、発展途中にはさまざまな厚みの製品が流通していました。サイズが大きすぎてパソコンなど内蔵メディアとして利用する場合に本体に入りきらない場合もあることから試行錯誤が必要でした。ただし、規格の違いはありませんのでその点は互換性の問題はありませんでした。

ハードディスクの種類 厚み (mm) 特徴
3.5インチ 約20~26 大容量と高速アクセスに対応。厚みがあるため冷却に優れ、高性能が求められる環境に適している。約25.4mm(1インチハイト)が主流です。
2.5インチ
  • 7mm
  • 9.5mm
  • 12.5mm
コンパクトで持ち運びやすいサイズ。厚みが薄いため、搭載スペースが限られたデバイスに適している。19mmのものもありましたが、9.5mmが主力となりました。

1. デスクトップ用ハードディスク

  • これらは一般的に3.5インチのフォームファクターを持ち、デスクトップコンピューターで使用されます。
  • 容量は一般的に数百ギガバイトから数テラバイトまであります。
  • 回転速度は通常5400RPMから7200RPMの範囲ですが、性能向上のためにより高速なモデルもあります。

2. ノートパソコン用ハードディスク

  • これらは2.5インチ(2.5 inch HDD)のフォームファクターを持ち、ノートパソコンや小型デバイスに適しています。
  • ノートパソコン用のドライブは、通常、消費電力が少なく、耐衝撃性が高い設計になっています。
  • ラップトップ用であるものの、デスクトップパソコンやゲーム機などでも使用されることもあります。
  • 回転速度は5400RPMから7200RPMが一般的ですが、容量はデスクトップ用と同様に幅広い選択肢があります。

3. サーバー用ハードディスク

  • サーバー用のドライブは、高負荷の環境での連続稼働に耐えるよう設計されています。
  • これらは通常、より高い回転速度(10,000RPMから15,000RPM)を提供し、より速いデータアクセス速度と高い信頼性を持っています。
  • サーバー用ドライブは、より高価ですが、エンタープライズ環境での耐久性とパフォーマンスが求められる場合に選ばれます。

4.モバイル用ハードディスク

  • モバイル用のドライブは、1.8インチ(1.8 inch HDD)は2.5 inch HDDよりも小さく主にモバイルノートPCやiPodなどの携帯型音楽プレイヤーにも利用されていた1インチ(マイクロドライブ)や0.85インチのものもありました。
  • 1.89 インチとして扱われることもあります。ハードディスクPCカードのモバイルディスクという単体商品もありました。ただし、フラッシュメモリと競合した結果として現在は廃れた規格となっています。
  • 東芝ではZIF(Zero Insertion Force)コネクタタイプとLIF( (Low Insertion Force))コネクタタイプ(いずれもパラレルATA)の精算を2011年1月発表の製品を最後に生産を終了しています。

LIFとZIFの違いはロックを付ける機構があるかないかです。ケーブルの種類としては同一で、ロックをつける機構があるのがZIFで、ないものがLIFです。互換性はありますが、厚みが問題で正常に接続できないことが多い規格の1つです。

memo

1.8インチやそれ以下のサイズのHDDは、従来はiPodなどのモバイルデバイスや特定のポータブルデバイスで利用されていました。しかし、今日ではそのような用途での小型HDDの使用は減少傾向にあり、フラッシュメモリに取って代わられています。スマートフォンでもフラッシュメモリを搭載しており、初期のiPhoneもフラッシュメモリを採用しています。

ドライブの厚み

ハードディスクドライブ(HDD)の厚みは、そのフォームファクタによって異なり、使用されるデバイスのタイプや設計要求に応じて選ばれます。主に以下のフォームファクタが一般的です。

1. 3.5インチHDD

  • 厚み:通常、約25.4mm(1インチハイト)です。
  • 用途:デスクトップPC、サーバー、外付けストレージデバイスに広く使用されています。容量が大きく、高速なデータアクセスが可能で、長期間のデータ保存に適しています。
  • 課題:プラッタ枚数がドライブの厚みを決めるため、薄いパソコンの需要が高いため採用されなくなっています。

2. 2.5インチHDD

  • 厚み:厚みは通常7mmから15mmの範囲です。
  • 用途:ノートパソコンや薄型デバイスに主に使用され、小型でありながら比較的大きなストレージ容量を提供します。また、ショック耐性に優れているモデルもあります。

3. 1.8インチHDD

  • 厚み:5mmから8mm程度。
  • 用途:非常にコンパクトなデバイスに使用されることがありますが、現在ではほとんどがSSDに置き換わっています。以前は、超薄型ノートパソコンや一部のポータブルメディアプレーヤーで使用されていました。

4. その他の小型フォームファクタ

  • :1.3インチや1インチのHDDなど、さらに小型のフォームファクターもかつては存在しました。これらは主に特定のポータブルデバイスや組み込みシステム向けに開発されていました。
  • 厚み:これらは非常に薄く、5mm未満のものもあります。

HDDのサイズと厚さの変遷

ハードディスクドライブ(HDD)のフォームファクターの標準化、特にサイズと厚みに関しては、主に業界の需要と技術的な発展に基づいて形成されてきました。市場の需要と技術の進化に伴って、特定のサイズが一般的に広く採用されるようになってきました。これまでの歴史を簡単にご紹介します。

歴史的背景

  1. 1980年代初頭:最初の3.5インチHDDが1983年に導入されました。このフォームファクタはフロッピーディスクドライブと同じサイズを意図しており、以降デスクトップコンピューターで広く採用されるようになりました。当初から、このサイズのドライブはおおよそ1インチ(25.4 mm)の厚みを持っていました。
  2. 1990年代:ノートパソコンの普及に伴い、2.5インチのフォームファクターが登場しました。このサイズのドライブは、初期には厚みが約12.5 mmだったものが、次第に7 mmやさらに薄い5 mmへと進化していきました。
  3. 2000年代以降:モバイルデバイスや超薄型デバイスの需要が増加すると、さらに小型の1.8インチや1.0インチのHDDが開発されました。これらは特にポータブル音楽プレーヤーやビデオカメラで使われましたが、その後SSDに大きく取って代わられました。

標準化

厚みやその他の物理的寸法の標準化は、主に業界団体や主要な製造企業によって推進されています。例えば、インターナショナル・エレクトロニカル・コミッショニング (IEC) や国際団体であるJEDEC(半導体機器の開発に関する共同技術委員会)などがこれに関与しています。

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