ハードディスク(HDD)の種類について

ハードディスクドライブ(HDD)は、様々な形式で利用可能であり、それぞれの種類は特定の用途や性能要件に適しています。現在利用されている主なハードディスクは以下の3種類です。

1. デスクトップ用ハードディスク

  • これらは一般的に3.5インチのフォームファクターを持ち、デスクトップコンピューターで使用されます。
  • 容量は一般的に数百ギガバイトから数テラバイトまであります。
  • 回転速度は通常5400RPMから7200RPMの範囲ですが、性能向上のためにより高速なモデルもあります。

2. ノートパソコン用ハードディスク

  • これらは2.5インチ(2.5 inch HDD)のフォームファクターを持ち、ノートパソコンや小型デバイスに適しています。
  • ノートパソコン用のドライブは、通常、消費電力が少なく、耐衝撃性が高い設計になっています。
  • ラップトップ用であるものの、デスクトップパソコンやゲーム機などでも使用されることもあります。
  • 回転速度は5400RPMから7200RPMが一般的ですが、容量はデスクトップ用と同様に幅広い選択肢があります。

3. サーバー用ハードディスク

  • サーバー用のドライブは、高負荷の環境での連続稼働に耐えるよう設計されています。
  • これらは通常、より高い回転速度(10,000RPMから15,000RPM)を提供し、より速いデータアクセス速度と高い信頼性を持っています。
  • サーバー用ドライブは、より高価ですが、エンタープライズ環境での耐久性とパフォーマンスが求められる場合に選ばれます。

4.モバイル用ハードディスク

  • モバイル用のドライブは、1.8インチ(1.8 inch HDD)は2.5 inch HDDよりも小さく主にモバイルノートPCやiPodなどの携帯型音楽プレイヤーにも利用されています。。
  • 1.89 インチとして扱われることもあります。ハードディスクPCカードのモバイルディスクという単体商品もありました。
  • 東芝ではZIFコネクタタイプとLIFコネクタタイプ(いずれもパラレルATA)の精算を2011年1月発表の製品を最後に生産を終了しています。
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1.8インチやそれ以下のサイズのHDDは、従来はiPodなどのモバイルデバイスや特定のポータブルデバイスで利用されていました。しかし、今日ではそのような用途での小型HDDの使用は減少傾向にあり、フラッシュメモリに取って代わられています。スマートフォンでもフラッシュメモリを搭載しており、初期のiPhoneもフラッシュメモリを採用しています。

ドライブの厚み

ハードディスクドライブ(HDD)の厚みは、そのフォームファクタによって異なり、使用されるデバイスのタイプや設計要求に応じて選ばれます。主に以下のフォームファクタが一般的です。

1. 3.5インチHDD

  • 厚み:通常、約25.4mm(1インチハイト)です。
  • 用途:デスクトップPC、サーバー、外付けストレージデバイスに広く使用されています。容量が大きく、高速なデータアクセスが可能で、長期間のデータ保存に適しています。
  • 課題:プラッタ枚数がドライブの厚みを決めるため、薄いパソコンの需要が高いため採用されなくなっています。

2. 2.5インチHDD

  • 厚み:厚みは通常7mmから15mmの範囲です。
  • 用途:ノートパソコンや薄型デバイスに主に使用され、小型でありながら比較的大きなストレージ容量を提供します。また、ショック耐性に優れているモデルもあります。

3. 1.8インチHDD

  • 厚み:5mmから8mm程度。
  • 用途:非常にコンパクトなデバイスに使用されることがありますが、現在ではほとんどがSSDに置き換わっています。以前は、超薄型ノートパソコンや一部のポータブルメディアプレーヤーで使用されていました。

4. その他の小型フォームファクタ

  • :1.3インチや1インチのHDDなど、さらに小型のフォームファクターもかつては存在しました。これらは主に特定のポータブルデバイスや組み込みシステム向けに開発されていました。
  • 厚み:これらは非常に薄く、5mm未満のものもあります。

HDDのサイズと厚さの変遷

ハードディスクドライブ(HDD)のフォームファクターの標準化、特にサイズと厚みに関しては、主に業界の需要と技術的な発展に基づいて形成されてきました。市場の需要と技術の進化に伴って、特定のサイズが一般的に広く採用されるようになってきました。これまでの歴史を簡単にご紹介します。

歴史的背景

  1. 1980年代初頭:最初の3.5インチHDDが1983年に導入されました。このフォームファクタはフロッピーディスクドライブと同じサイズを意図しており、以降デスクトップコンピューターで広く採用されるようになりました。当初から、このサイズのドライブはおおよそ1インチ(25.4 mm)の厚みを持っていました。
  2. 1990年代:ノートパソコンの普及に伴い、2.5インチのフォームファクターが登場しました。このサイズのドライブは、初期には厚みが約12.5 mmだったものが、次第に7 mmやさらに薄い5 mmへと進化していきました。
  3. 2000年代以降:モバイルデバイスや超薄型デバイスの需要が増加すると、さらに小型の1.8インチや1.0インチのHDDが開発されました。これらは特にポータブル音楽プレーヤーやビデオカメラで使われましたが、その後SSDに大きく取って代わられました。

標準化

厚みやその他の物理的寸法の標準化は、主に業界団体や主要な製造企業によって推進されています。例えば、インターナショナル・エレクトロニカル・コミッショニング (IEC) や国際団体であるJEDEC(半導体機器の開発に関する共同技術委員会)などがこれに関与しています。

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